iPhoneは成功するか



iPhoneの発売まで、あと2週間を切った。とある案件のため、複数台確保しないといけないのだが、発売日に入手できるかどうかはまったく不明だ。先週の段階で予約を受け付けているソフトバンクショップはほとんどなく、小さなショップでも30件以上の予約が入っているところもあるようで、ほとんどの場所で予約受付を中止している。ネットでは、発売日の販売を請け合ってくれた幸運な人もいるようだが、私は残念ながら、そのような幸運には巡り会えなかった。予約できるようになった電話してくれるところが数カ所あったので、そこを頼りにして、あとは当日並ぶしかないだろう。

さて、iPhoneが売れるかどうかについて、いろいろな意見がある。テクノロジーに強い人はiPhoneが売れるかどうかには関係なく、「iPhone万歳」の傾向にある。マーケティングに強そうな人も、だいたい「iPhoneはそこそこ売れるだろう」という意見だが、日本独自のケータイ文化に求められる機能を搭載していないことを理由に、「それほど売れないのではないか」という予測をしている人もいる。あと、「売れるわけないだろ」と書いて、読者を「釣って」いる人も結構見かける。

売れるかどうかはともかく、iPhoneと日本のケータイ文化について、ちょっとだけ私も考えてみる。

まず、イノベーターやアーリー・アダプターに属する人たちは、金銭的な余裕さえあれば、多くの人が買うだろう。ここに属する人たちだけで、発売日の出荷台数は簡単にはけてしまうのではないか(何台出荷されるのかがわからないから、この予想にはあまり意味がないが)。ただ、アーリー・マジョリティやレイト・マジョリティなど、いわゆる普通の人たちが手に取るには、ややハードルが高い。なぜなら、iPodのように、これまで使っていなかったものを使い始めるのではなく、すでに使っている携帯電話をiPhoneに変更する必要があるからだ(普通の人は、ケータイを2台持ったりしないため)。アーリー・マジョリティやレイト・マジョリティの中にも、モバイルSuicaなどおサイフケータイを使っている人は多いだろうし、そこまでいかなくても、モバゲーやmixiモバイルなど、従来のケータイからしかアクセスできないサービスから離れられない人は非常に多い。また、先進的ユーザの中でも、おサイフケータイを日常的に使っている場合、乗り換えはしづらい(なので、追加購入となる)。せっかく便利な環境があるのに、不便な環境に戻ることを選ぶ人はそれほどいないからだ。

あと、地味に痛いのがiPhone搭載のSafariがFlashやJavaに対応していないこと。たとえば、ニコニコ動画を見ることはできない(YouTubeは、YouTube側が対応しているため、アクセスできる)。動画共有サイトにアクセスされると回線に負担がかかるのはわかるが、用途を広げるには厳しい。内蔵カメラが200万画素しかないのも、今となってはマイナスポイントの一つだ。最近増えてきた、電車の中でワンセグを見る人にとっては、iPhoneは最初から選択肢の中にないだろう。

タッチパネル式の入力方法は、iPod touchと同じだとすれば、若干厳しい。日本語変換機能が低いため、ATOKなど高機能かな漢字変換ソフトを搭載しているケータイを使いこなし、長文のメールを送受信する人にとっては、おそらくiPhoneはストレスのたまる端末になるだろう。

一方で、MobileMeとの同期が可能なのは悪くない。個人的には、先月から今月にかけてAppleから発表されたことの中で、もっとも革新的な内容はMobileMeだと思っている。これまでOutlook+Exchange Serverの牙城であり、Microsoftに残された最後の聖域の一つ、企業内コミュニケーションという領域に切り込んでいくために、必要不可欠だったのが、Windowsとの連携だった。まだ試していないから何とも言えないが、MobileMeによってそれが可能になると思われる。年間9800円は決して安くないし、メールアドレスとバックアップ領域、Webサイト公開サービスくらいでは、絶対に元が取れないと思うが、Windowsと連携が取れるなら導入に踏み切る人も増えてくるのではないか。現在のところ、メール、メールアドレス、連絡先、カレンダー、ブラウザの「お気に入り」くらいだが、Outlookを使っているWindowsユーザにとっては大きな魅力になるだろう。

まとめてみると、iPhoneを買わない「普通の人」とは、こんな感じだろうか。

・モバゲーやmixiモバイルなどのユーザ
・ケータイのデジカメ機能に画質を求めるユーザ
・おサイフケータイをすでに導入して使いこなしているユーザ
・ケータイで動画を楽しんでいるユーザ
・ワンセグをよく見るユーザ
・ケータイで長文のメールを入力するユーザ